おりで囲んだ展示の準備をするマブソンさん(左)と窪島さん=上田市

おりで囲んだ展示の準備をするマブソンさん(左)と窪島さん=上田市

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「檻の俳句館」上田で開館へ 戦時下に弾圧された俳人を顕彰

信濃毎日新聞(2018年2月21日)

 戦時下に弾圧された俳人を顕彰する「檻(おり)の俳句館」が25日、上田市古安曽に開館する。館主は、「俳句弾圧不忘(ふぼう)の碑」を昨年12月、隣接地に設けた一人で、俳人・比較文学者のマブソン青眼さん(49)=長野市。俳人たちの似顔絵と俳句のパネル、解説を鉄格子を模した"おり"で囲んで展示。言論や表現の自由、平和について問い掛ける。

 紹介する俳人は、碑に名前と作品が刻まれた17人。入り口正面には「戦争をやめろと叫べない叫びをあげている舞台だ」を詠んだ、小県郡青木村出身の栗林一石路(いっせきろ)(1894〜1961年)のおりを掲げた。「戦争が廊下の奥に立つてゐた」の渡辺白泉(はくせん)、「大戦起るこの日のために獄をたまわる」の橋本夢道(むどう)らのおりもある。弾圧に関する本を置くほか、暗くして懐中電灯で照らして鑑賞したり、投句できるようにしたりする。

 俳句館は、弾圧された俳人たちを似顔絵などでより深く知ってもらおうと計画。建物は、「俳句弾圧不忘の碑」の建立に賛同した窪島誠一郎さん(76)=上田市=が館主を務める戦没画学生慰霊美術館「無言館」の別棟展示室を改修した。碑のある隣接地には、窪島さんが館主の信濃デッサン館の別館「槐多(かいた)庵」がある。俳句館開館の25日には碑の除幕式も開かれる。

 窪島さんは「彼らは表現することの死を強いられた。『俳句館』には『無言館』と同じ意義がある」、マブソンさんは、今は言論の自由が狭まっている風潮にあるとし、「私たちこそ、おりの中にいるのではないかと自問してほしい」と話している。

 入館無料。原則火曜休館。4月以降、マブソンさんと語りながら句会をする「檻の会」も毎月開く(千円)。

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