奥越に春を呼ぶ奇祭「勝山左義長まつり」が24日、福井県勝山市の中心部で幕を開けた。大雪も一段落し、12区の櫓(やぐら)からは軽やかな左義長ばやしが響き渡り大勢の見物客を楽しませた。25日夜までまつりは続き、勝山は「さぎっちょ」一色に染まる。
午後1時、下長渕区の櫓で一番太鼓が打ち鳴らされると、各区の櫓でも一斉におはやしがスタート。三味線などの音に合わせ、華やかな長じゅばんを着た老若男女がおどけたしぐさで踊るように太鼓を打つ"浮き太鼓"を披露した。大勢の観光客が押しかけ盛んにカメラのシャッターを切っていた。
この日のために除雪を進めた各通りはカラフルな短冊が揺れた。日用品などで作った、干支(えと)にちなんだ犬の造形物や、風刺の効いた川柳の絵あんどんも飾られ、来場者の目を引いていた。
勝山左義長は300年以上の伝統を誇る県指定無形民俗文化財。