輪島市無形民俗文化財の「フキノト祭り」は3日、同市門前町内保(うちぼ)の大王社(だいおうしゃ)(太玉(ふとだま)神社)で営まれた。神社の田「宮田(みやでん)」の耕作を担う当元(とうもと)役を引き継ぐ神事で、選ばれた椿原泰範さん(58)が氏子ら約30人にフキノトウみそを振る舞い、全員で五穀豊穣(ほうじょう)を祈願した。
おはらい後の直会(なおらい)が盛り上がると、平善智宮司(87)が椿原さんを当元に指名し、氏子らが賛同した。
椿原さんは「にわかなことで、家内と相談したい」といったん退席。紋付きの羽織を着て戻ると、「何の支度もできませんが、フキノトウみそ、豆腐のホッタテ汁(すまし汁)で良ければ受けさせてください」と承諾した。
宮田は2枚あり、2月9日にも同様の神事で当元を選んだ。