牧理事(右)から登録証を受け取る山辺会長=南砺市福野文化創造センター

牧理事(右)から登録証を受け取る山辺会長=南砺市福野文化創造センター

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福野夜高祭が「未来遺産」 協議会に登録証

北日本新聞(2018年3月12日)

 南砺市の福野夜高祭が日本ユネスコ協会連盟(事務局・東京)の「プロジェクト未来遺産」に選ばれ、祭りを担ってきた福野夜高祭連絡協議会(山辺美嗣会長)に11日、登録証が交付された。大火からの復興の願いを起源とする夜高行燈(あんどん)を祭りのシンボルとして継承しつつ、東日本大震災被災地などでの引き回しを通じて復興支援を後押ししていることが評価された。協議会関係者は未来伝承への決意を新たにしていた。

 「未来遺産」は100年後の子どもたちに伝えるべき地域の有形・無形の文化や自然を伝承する活動を選定している。2009年度に始まり、17年度で9回目。通算登録は計66件となる。

 福野夜高祭は、17世紀半ばの大火後の平安を祈って伊勢神宮からご分霊を迎えたのを起源とし、そのルーツを心のよりどころとしながら伝承してきた。

 2013、17年の2回、東日本大震災被災地の福島県南相馬市で夜高行燈の引き回しを披露。11年には、伝染病の大流行を乗り越えた歴史を持つフランス・リヨン市の「光の祭典」への遠征団派遣(北日本新聞社共催)を行った。町の復興と関わる祭りの歴史を大切にしながら、被災地応援の心意気を示してきた取り組みの積み重ねが、未来遺産選定につながった。

 登録証交付はくしくも東日本大震災発生の日と重なった。南砺市福野文化創造センターに展示されている夜高行燈の前に福野夜高祭連絡協議会関係者が集まり、山辺会長が日本ユネスコ協会連盟の牧貞夫未来遺産担当理事から登録証を受け取った。

 田中幹夫市長がお祝いの言葉を述べ、渋谷克人県教育長が知事の祝辞を代読した。子どもらによる勇壮な夜高太鼓が祝賀ムードを高めた。

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