古民家の風情を生かした「蔵」ギャラリー=19日、福井県大野市元町

古民家の風情を生かした「蔵」ギャラリー=19日、福井県大野市元町

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古民家ギャラリー21日開館 築130年以上、大野市

福井新聞(2018年3月20日)

 築130年以上の古民家を改修した福井県大野市のギャラリー「COCONO(ココノ)アートプレイス」(元町)が21日オープンする。かつて同市で広がった若手画家を支援する「小コレクター運動」で市民が購入した絵画や、市ゆかりの画家の作品を展示していく。ショップやカフェもあり、市街地に新たなにぎわいの拠点が誕生する。

 古民家は木造一部2階建てで、県の「ふくいの伝統的民家」に認定されている。かつて書店や住居として使われ、2012年に市に寄贈された。

 改修でも母屋、離れ、蔵の配置はそのままとし、白壁を基調に、天井裏の垂木や梁(はり)をむき出しにして古民家の風情を生かした。展示室は、主に企画展を行う「オモヤ」、市民が所有する作品を展示する「蔵」「ハナレ」の3カ所に設けた。延べ床面積は約480平方メートル、事業費は1億5520万円。

 小コレクター運動は無名の若手画家の作品を購入して支援する活動で、1950年代ごろ全国で広まった。市内では、美術教諭だった故堀栄治さん=清和町=が、運動の第一人者と関係が深かった縁で活発化。「虹のアーティスト」として知られる靉嘔(あいおう)さんが無名だった58年には、市民たちが渡米資金を援助した。

 靉嘔さんや木村利三郎さん(1924~2014年)、池田満寿夫さん(1934~97年)らの作品など市民が所有する絵画は数百点を超すとみられ、現在も市民と靉嘔さんらとの交流は続いている。

 ギャラリーでは、市民らから借り受けた作品を順に入れ替えながら紹介していく。市の担当者は「いずれは現代版の小コレクター運動のように、地元の若手作家を応援する場所にしていきたい。まちなかの回遊性にもつながれば」と期待した。

 21日からはオープン企画として靉謳さんの近作、恐竜シリーズ14点が展示される。営業時間は午前9時~午後5時。月曜定休。ギャラリーは200円、中学生以下無料。

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