福井市の足羽山で落ち葉の間から薄紫色のショウジョウバカマのかれんな花が咲き始め、散策する人たちに春の訪れを告げている。
ショウジョウバカマはユリ科の多年草で、山地の木陰など湿った場所に生息する。花の色は紫のほか白や赤、ピンクなどさまざま。名前は花が中国の想像上の動物「猩猩(しょうじょう)」の赤い顔に、葉の重なりがはかまのように見えることに由来するという。
足羽山公園遊園地(ミニ動物園)近くの遊歩道沿いでは、ぬれそぼった落ち葉をかき分け、柔らかな表情の花がぽつりぽつり顔をのぞかせている。足羽山にはぼんぼりが設置され、花見シーズンはすぐそこ。サクラのつぼみの膨らみを気にしながら散策する人たちに「春はここにも」と、足元からささやいているよう。