週末を迎えてにぎわう工芸の展示室=金沢市の県立美術館

週末を迎えてにぎわう工芸の展示室=金沢市の県立美術館

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文化土壌の厚みに感激 現代美術展、初の週末にぎわう

北國新聞(2018年4月1日)

 第74回現代美術展(一般財団法人石川県美術文化協会、北國新聞社など主催)は31日、会期中初めての週末を迎え、会場となっている金沢市の県立美術館と金沢21世紀美術館は、多くの来場者でにぎわった。全国公募展でも多数の入選者を輩出する文化立県だけあって、美術の峰は高く、裾野は広く、県内外から訪れた鑑賞者は、石川の豊かな文化土壌に深く感じ入った。
 県立美術館では洋画、彫刻、工芸、金沢21世紀美術館では日本画、書、写真の6部門計1129点が気品ある情熱を放っている。
 大阪から訪れた美術教諭の藤原和哉さん(30)、絋子さん(30)夫婦は、文化勲章受章者や日本芸術院会員、人間国宝を含む委嘱の部のみならず、厳しい審査を経た一般の部でも作品レベルの高さに舌を巻いた。和哉さんは日本画について「一般の部でも画面の構図や塗り方に独自の工夫が見られ、日本画の新しい可能性を感じた」と語った。
 県が3月29日に発表した最新版「石川100の指標」によると、人口100万人当たりの日展入選者数は京都府と僅差で全国2位、日本伝統工芸展入選者数は17年連続で断トツ1位を誇っている。
 米国から初来日したケニー・ミヤモトさん(65)、マサヨさん(65)夫婦は旅行中に偶然、現美を鑑賞した。過去から現代へと人々の暮らしに脈々と息づく文化を体感できたとし、マサヨさんは「ミステリアスな魅力がある作品が多く感動した。日本の中でも金沢に来られて本当に良かった」と笑顔を見せた。
 全国最高峰と称される地域美術展への挑戦は、次世代にも着実に受け継がれていく。珠洲市正院小1年の坪井里奈さんは、祖母の洋画を見詰めながら「木立の中まで歩いて行けそう。おばあちゃんみたいに上手な絵を描いて、ここに飾ってもらいたい」と目を輝かせた。
 両館とも15日までの会期中は無休で、午前9時半~午後6時に開場する。

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