奥能登に本格的な春の訪れを告げる奇祭「酒樽(さかたる)がえし」が2日、能登町藤波で行われ、下帯姿の男衆12人が田や海で威勢よく酒樽を奪い合い、豊作と大漁を祈願した。
地元の神目(かんのめ)神社の春祭りで、男衆は境内でおはらい受けた後、地酒をなみなみと注いだ酒樽を担ぎ、「わっしょい、わっしょい」と声を合わせて集落を走り回った。
水田では泥まみれになりながら酒樽を投げ飛ばし、辺田の浜と呼ばれる浅瀬の海では水しぶきを上げて一心不乱に樽を追いかけた。時折、樽の中の酒を回し飲みして気合を高めた。