木造校舎の窓から望むシダレザクラ=4日、飯田市竹佐

木造校舎の窓から望むシダレザクラ=4日、飯田市竹佐

長野県 伊那路 花・紅葉

舞う花びら、学びやの思い出 飯田・旧山本中のシダレザクラ

信濃毎日新聞(2018年4月5日)

 飯田市竹佐の旧山本中学校杵原(きねはら)校舎(国登録有形文化財)前にあるシダレザクラが早くも散り始めた。古い木造校舎の周囲に舞う花びらが、訪れた人を楽しませている。

 校舎は戦後間もない1949(昭和24)年に開校し、85年に廃校となった。思い出の学びやを活用して地域活性化につなげたい―と、地元有志が2005年から校舎の整備や桜の手入れを担っている。

 初めて訪れたという松本市の40代の男女2人は、自分たちが通っていた小中学校の木造校舎の記憶と、杵原校舎の風景を重ね合わせた。校舎の中からも、散りゆく桜を見つめながら「窓ガラスの鍵の形、雑巾がけ競争をした長い廊下...。あの頃が懐かしい」。

 校舎近くに住む卒業生の矢沢弘子さん(77)は開校時、五つ年の離れた姉と一緒に中庭に桜の木を植えた。「その桜はもう枯れてしまったけれど、この時季には苦労して桜を担いだ日を思い出す」と、かみしめるように話した。

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