寺田堂から長谷寺に移された仏像。右から薬師如来、地蔵菩薩、聖観音=佐渡市長谷

寺田堂から長谷寺に移された仏像。右から薬師如来、地蔵菩薩、聖観音=佐渡市長谷

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佐渡畑野・寺田堂3仏像 長谷寺に移転安置 14日初公開

新潟日報(2018年4月13日)

 佐渡市寺田の寺田堂に納められていた地蔵菩薩などの仏像3体が長谷寺(同市長谷)に移された。寺田堂の老朽化に加え住民の高齢化で、保全が難しくなっていたためだ。住民は「安全な場所に移って安心した。地域の歴史とともに大切に残してもらえれば」と願っている。同寺で14日から初公開される。

 寺田は畑野地区の70戸ほどの集落。寺田堂は少なくとも130年以上の歴史があるという。薬師如来と地蔵菩薩、聖観音の3体が安置され、地域の会合や講の集まりなどで利用されてきた。だが、約30年前に建てられた別の施設に集会所機能が移ってからは利用頻度が低下。高齢化や人口減で手入れや修繕費の捻出が難しくなっていた。

 住民たちが建物の存廃や仏像の扱いを話し合ってきたが、2015年に仏像の遷座を決定。当時の区長酒田好和(よしかず)さん(66)は「壁や天井がぼろぼろで、仏さまがつぶれたら大変だと思った」と説明する。「魂抜き」などの儀式を行った上で、多くの文化財の管理実績があり、観光客も多い長谷寺に依頼した。

 移された3体は現在展示室に納められ、準備が整ったため公開が決まった。住職の富田宝元さん(77)は「大切な地域の財産。集落以外にも多くの人に見てもらいたい」と強調した。

 保全をめぐる議論に関わってきた元区長の小田一男さん(75)は「地域のつながりのための場がなくなったのは残念だが、管理には限界があった」と胸をなで下ろす。「節目には拝みに行って、大事にしていきたい」と思いを語った。

 14、15日の同寺の「レンギョウ・桜まつり」に合わせて公開する。午前9時~午後4時。問い合わせは同寺、0259(66)2052。

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