本来のデザインを生かし耐震補強、改修工事を終えた昭和会館=25日、福井県南越前町今庄

本来のデザインを生かし耐震補強、改修工事を終えた昭和会館=25日、福井県南越前町今庄

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シンボル「昭和会館」の改修完了 今庄、国登録有形文化財

福井新聞(2018年4月27日)

 旧今庄町役場などとして活用された福井県南越前町今庄の洋風建造物「昭和会館」(国登録有形文化財)の耐震補強、改修工事が完了し4月25日、報道向け内覧会が開かれた。建築に貢献した地元の篤志家田中和吉氏(1876~1933年)の生涯や今庄の歴史に関する資料を常設展示している。

 同館は県議や会社社長を務めた田中氏が1930年、私財を投じて今庄宿の脇本陣跡に建築した。鉄筋コンクリート造り3階建て。55~74年に旧今庄町役場として使われた後、今庄地区公民館分館となり住民の会合や催しに活用されてきた。

 2014年度の町調査で「震度5以上の揺れで倒壊の恐れ」とされたが、今庄宿を象徴する建物の一つとして残したいと住民が要望。町の今庄宿プロジェクト事業で17年6月に着工した。正面の意匠を損なわないよう、側面と背面にのみ鋼材を張り付け補強した。

 物置だった2階の約30平方メートルに資料展示室を整備した。田中氏が亡くなる直前に書いた日記や、町役場時代の写真など計約50点が並ぶ。1階調理室にはそば打ちスペースを設け、今年7月をめどに観光利用を始める。3階ホールのアーチは、昭和初期の文様や装飾をそのまま残した。事業費は約1億8千万円。

 3月26日に完了し、住民は4月から利用可能となっている。JR今庄駅舎リニューアル1年記念イベントがある29日に合わせ、同日から観光客の見学や休憩も受け付ける(土日祝の午前10時~午後4時)。管理人やボランティアガイド同伴なら、今庄宿の町並みを一望する屋上に出られる。

 同町の担当者は「田中和吉氏も昭和会館も今庄のシンボリックな存在。ここを通して地域の近代史に理解を深めてもらえれば」と話していた。問い合わせは観光まちづくり課=電話0778(47)8002。

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