越前和紙のお守り袋と、製作した(右から)岩野市兵衛さん、長田榮子さん、岩野孝子さん=福井県越前市大滝町

越前和紙のお守り袋と、製作した(右から)岩野市兵衛さん、長田榮子さん、岩野孝子さん=福井県越前市大滝町

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最高の越前和紙でお守り袋製作 越前市の紙漉き職人ら

福井新聞(2018年5月1日)

 5月2日~5日に福井県越前市大滝町の岡太神社(おかもとじんじゃ)・大瀧神社で行われる1300年大祭に向け、同市の人間国宝、岩野市兵衛さん(84)ら氏子の紙漉(す)き職人3人が、生漉(きずき)奉書でお守り袋を作った。岡太神社に祭られている紙祖神「川上御前」のおかげで「長年この仕事をさせてもらっている」と、一つずつ手作業で感謝を込めた。

 ほかの2人は岩野さんの妻孝子さん(77)、伝統工芸士で「現代の名工」に選ばれている長田榮子さん(80)=いずれも大滝町。大祭を前に、長田さんが和紙のお守り袋を思い付き「最高の紙を使いたい」と岩野さんに相談。上嶋晃智宮司(59)の許可を得て、昨年2月から作り始めた。

 岩野さんは純粋なコウゾだけを用いてしわを寄せた和紙を手漉きし、こよりや結び目の飾りも作った。3人で袋型に折ってパーツを組み合わせ、上嶋宮司が用意したお札を入れた。大きさは従来の布製お守り袋と同じ縦8センチ、横5センチ。

 上嶋宮司によると、お札の中には両神社のご神体が身に着けていた衣の一部が入っている。3人は「ご神体の着物が入っているなんて鳥肌が立った。なお一層気が引き締まる思い」と、必ず手を清めてから製作に当たったという。

 越前和紙の技術は川上御前が村人に伝えたとされ、長田さんは「紙漉きをなりわいに世代をつないでいるのは、川上御前のおかげ。お守りがそのことを再確認するきっかけになればうれしい」と丁寧に作業を進めていた。大祭終了後も、袋作りは続けるという。

 約300個用意し上嶋宮司がおはらいした。ご祈祷(きとう)を受けた参拝者のほか、2~5日に限り寄付した人にも渡すという。上嶋宮司は「どういう気持ちで作られているか分かった上で大切にしてほしい」と話していた。

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