国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された曳山(ひきやま)行事で知られる七尾市の祭礼「青(せい)柏祭(はくさい)」は3日、鍛冶町の宵(よい)山(やま)で幕を開けた。日本一の大きさを誇る山車(だし)「でか山」には、能登立国1300年をPRする看板が掲げられた。若衆の威勢のよい「エーンヤー」の掛け声で、豪快に山が巡行し、能登の節目を彩る大祭が華々しくスタートした。
でか山を運行する三つの山町(やまちょう)は、能登立国1300年を祝うとともに、観客に広くアピールしようと、それぞれの山に看板や幕を取り付けた。
三町の先陣を切る鍛冶町では午後9時すぎ、鉦(かね)太鼓の音に誘われて続々と見物人が集まった。神事の後、木遣(きや)り衆の「曳き出し唄」を合図に若衆や市民が一斉にでか山の綱を引いた。
でか山の舞台は、歌舞伎「菅原天神記 車引の場」の人形3体や、白地に赤で「能登立国千三百年」と記した看板が飾られ、色鮮やかな幕で彩られた巨大な山がゆっくりと動きだすと、観客から歓声が上がった。
4日午前1時から府中町の朝山、同8時から魚町の本山が始まる。午後0時半すぎ、山王町の大地主(おおとこぬし)神社に3台のでか山が集結し、神事が営まれる。5日はでか山が市中心部を進む。