「素敵な絵本の世界をありがとう」「小さいころからだるまちゃんが大好きでした」―。福井県越前市出身の絵本作家、児童文化研究家の加古里子(かこさとし)さん(享年92)の訃報を受け、同市「かこさとしふるさと絵本館」は9日、加古さんへのメッセージコーナーを館内に設けた。今月末まで募集し、集まったメッセージを遺族に届ける。
遺影と直筆の色紙、花を飾ったコーナーを2階に設け、ノートを3冊置いた。「母から私、私から娘、そして娘からその子供へずーっと読み伝えていきます」という親子連名の書き込みなど、感謝の気持ちが寄せられている。1階にも著作「からすのパンやさん」シリーズにちなみ、パン型のメッセージカードを貼るボードを設置した。
近くの山川二葉さん(32)は長女愛花(いとか)ちゃん(1)と訪れ、「県外からゆかりのない越前市に引っ越したが、絵本館のおかげで楽しく子育てしているし、先生の絵本つながりで友達もできた。お礼を込めて書きました」と話していた。
6月からは追悼展として、手書き原稿や加古さんがアイデアを書き込んだ市武生中央公園「だるまちゃん広場」の図面のコピーなどを順次展示する予定。