小石で装飾された漆塗りの木製鉢の一部=5月17日、福井県小浜市の県立若狭歴史博物館

小石で装飾された漆塗りの木製鉢の一部=5月17日、福井県小浜市の県立若狭歴史博物館

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重文の縄文漆器公開 小浜・若狭歴博、鳥浜貝塚から出土

福井新聞(2018年5月18日)

 福井県小浜市の県立若狭歴史博物館で5月17日、鳥浜貝塚(同県若狭町)から出土した漆塗り製品の特別公開が始まった。小石を貼り付けた木製鉢の一部を皮切りとして、国の重要文化財に指定されている縄文時代前期の貴重な漆器を随時展示する。

 第1弾として公開されている木製鉢の一部(縦9センチ、幅7センチ)は、1985年に見つかったもの。漆と樹木の粉末などを混ぜてペースト状にした「こくそ漆」を用いて、トチノキの木地に複数の小石(4~6ミリ)を接着している。約6千年前に作られたとみられる。

 木地と異なる素材を装飾する方法は「象嵌(ぞうがん)」と呼ばれ、この時代に象嵌の加飾法が用いられた漆器は非常に珍しいという。元となる鉢の口周りは直径約20センチとみられている。

 木製鉢の一部の公開は27日まで。その後は漆塗り筒型三足器(29日~6月20日)、赤色漆塗り飾り弓(6月21日~7月1日)を展示していく。

 展示は午前9時~午後5時。観覧料は一般・大学生300円。

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