「くらら咲くころ」の詩碑の前で、多胡羊歯について語る向井さん=氷見市朝日本町の上日寺

「くらら咲くころ」の詩碑の前で、多胡羊歯について語る向井さん=氷見市朝日本町の上日寺

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童謡詩人・多胡羊歯「しのぶ集い」 7月、地元の氷見

北日本新聞(2018年6月4日)

 児童文芸雑誌「赤い鳥」が創刊100年を迎える7月1日、同誌で活躍した氷見市胡桃(くるみ)出身の童謡詩人、多胡羊歯(たごようし)(1900~79年)に光を当てようと、県内の有志でつくる実行委員会が氷見市で「しのぶ集い」を企画している。代表作「くらら咲くころ」をはじめ、多くの詩を残した羊歯の足跡を振り返り、後世に伝えていく契機とする。

 「赤い鳥」は1918(大正7)年7月1日、作家の鈴木三重吉が創刊し、北原白秋ら当時の一線作家が選者や作者として協力。新美南吉ら多くの童話、童謡作家を育て、日本の児童文学の発展に貢献した。創刊100年の今年は、全国でさまざまな記念行事が計画されている。

 多胡羊歯は氷見の小学校で勤務していた時期に「赤い鳥」に出合い、23年に初入選。初の童謡集「くらら咲く頃」が高い評価を受けるなど童謡詩人として認められ、北原白秋に師事して三大弟子と呼ばれた。氷見で終生を過ごし、約千編の詩を残している。

 しのぶ集いは「赤い鳥」の記念の年に当たり、日本を代表する童謡詩人の一人が氷見にいたことを広く知ってもらおうと、羊歯に関する著書がある富山市のジャーナリスト、向井嘉之さん(74)が中心となって企画した。

 氷見市朝日本町の上日寺にある「くらら-」の詩碑前で、午前11時から開く。羊歯にゆかりのある人々を招き、「赤い鳥」と羊歯の関わりや、氷見の農村の情景を題材にした「くらら-」について解説しながら詩人の歩みをたどる。県内で活躍するボーカルユニット「ハニーグレース」が、羊歯が詩作した童謡を歌う。

 実行委は今回の集いの後、羊歯を紹介する次の活動の企画も進める。向井さんは「多胡羊歯については、地元でもあまり知られていない面がある。100年を機に、大正デモクラシーの中で花開いた詩人のことを伝えたい」と話している。

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