市内外へ出荷が始まった伝統野菜「杉箸アカカンバ」=6月5日、福井県敦賀市杉箸

市内外へ出荷が始まった伝統野菜「杉箸アカカンバ」=6月5日、福井県敦賀市杉箸

福井県 敦賀・若狭 特産

「杉箸アカカンバ」出荷始まる 敦賀の伝統野菜

福井新聞(2018年6月6日)

 福井県敦賀市杉箸で150年以上栽培が続く伝統野菜「杉箸アカカンバ」の出荷が6月4日、始まった。3月末に種をまいた「春まき」のもので、1カ月にわたり市内の直売所や東京に出荷、販売される。

 杉箸アカカンバは中まで赤色のさしが入った赤カブラで、地元農家でつくる生産組合が栽培している。お盆すぎに種をまく「秋まき」がメインだが、春まきは2013年から冬場以外の出荷を求める販売元への対応や漬物などの加工品用確保のため行っている。

 同区では今季、2カ所計5アールの畑で約350個の収穫を予定。春まきは発芽するまで保温する必要があり、種をじかまきする秋に比べ手間がかかるという。

 収穫期を迎え、茎は30センチほどまで成長。実が頭の部分を少しだけ土からのぞかせている。5日は山口一夫組合長(70)が直径約10センチの楕円形に膨らんだ10個を収穫し出荷した。

 ぴりりとした辛味が特徴で、熱を通すと辛味は甘味に変化する。歯応えの良さを楽しめる漬物が定番だが、秋よりも辛味が強いためポトフや焼き野菜が向くという。山口組合長は「今年も立派に育った。直売所で手にとってみてほしい」と話していた。

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