村上市荒川地区の「グリーンパークあらかわ運動公園」のラベンダー畑で、3~4割のラベンダーが枯れる事態に陥った。原因は寿命のほか、湿気や風で弱ってしまったことだ。毎年6月末に開催する「あらかわラベンダーフェスティバル」がことしは中止になったが、地元市民や中学生が5月下旬に植栽を行うなど、花畑再生に動き出している。
ラベンダー畑は、運動公園に訪れる人を増やそうと、地元の「あらかわ地区まちづくり協議会」が6年前、約1500本の株を植えたことが始まり。花から採ったオイルで石けんを作ったり、染め物に使ったりして、まちおこしに活用していた。
異変が起きたのは昨秋。管理を行っている協議会内の「風かおる丘ハーブメイツあらかわ」のメンバーが刈り込み作業をしようとしたところ、多くの株が枯れているのに気付いた。昨年8月の長雨で、根が蒸れるなどして弱ったものとみられる。
枯れたのは約500株。酒井幸子代表(65)は「あまりにも多く傷んでいたので驚いた」と振り返る。フェスティバルには昨年は約2千人が訪れるなど、荒川地区のラベンダーが徐々に知られてきた矢先だった。
畑を再生させるため、元気な株を1カ所にまとめ、空いた場所を耕し直した。メンバーが挿し芽から育てた苗と購入した苗の計500株を、荒川中1年生と一緒に植えることにした。
5月下旬に行われた作業には、約90人が参加。ハーブメイツの寺社松美さん(68)が「苗は2年後に花が咲く。皆さんが3年生になったころには花いっぱいになるでしょう。一生懸命作業に取り組んでほしい」と呼び掛けた。
中学生は移植ごてを手に、畝(うね)に穴を掘って慎重に苗を植えていった。作業した男子生徒(12)は「おととし満開だったときにラベンダー畑を見たが、紫一色で香りもすごかった。2年後、きれいに咲いたらうれしい。たまには様子を見に来たい」と話した。
酒井さんは「来年以降にフェスティバルを再開したい。また、運動公園だけでなく、荒川地域全体にラベンダーを広げていきたい」と意気込んいる。