小説新潮6月号の巻頭を飾った西村さんの新連載「富山地方鉄道殺人事件」

小説新潮6月号の巻頭を飾った西村さんの新連載「富山地方鉄道殺人事件」

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地鉄舞台 西村京太郎さん新作 旅行ミステリーで魅力発信

北日本新聞(2018年6月8日)

 トラベルミステリーの大御所、西村京太郎さんが、富山を舞台にした新連載「富山地方鉄道殺人事件」を小説新潮6月号でスタートさせた。初回は失踪したキャリア官僚の夫を捜す妻と大学の同級生が宇奈月を訪ねる展開で、欅平で女性記者の死体が見つかる波乱の幕開けとなっている。富山地鉄のうんちくや沿線の美しい景観もふんだんに盛り込まれ、謎解きが楽しめるだけでなく、県内の魅力を広く伝える作品になりそうだ。

 西村さんは近年、広島電鉄や高松琴平電気鉄道(香川)など、地方の私鉄を題材にした作品を小説新潮で発表。「地域に根差し、地元に愛されている路線を応援したい」との思いがあり、富山地鉄を扱った小説も以前から構想を練っていた。セントラムなどLRT(次世代型路面電車)の新しい取り組みも注目しており、「以前から宇奈月温泉旅館の窓からかわいらしい黒部峡谷鉄道、富山地鉄を見るのが好きだった。今回小説新潮で富山を書けるのがうれしい限り」という。

 連載は「鉄道大特集」と題した6月号の巻頭を飾った。物語では、登場人物が宇奈月に向かう途中の会話で、路線がトータル100キロを超える地方の私鉄は富山地鉄以外にほとんどないことなど、さまざまなトピックを紹介。地元では「地鉄」と呼ばれているのに、駅名は「電鉄富山」「電鉄黒部」と「電鉄」を冠していることにも疑問を向けるなど、利用者なら思わずにやりとするような記述もある。

 富山地鉄の赤川大総務課長は「西村さんから直接取材は受けていないが、人気作家の新作に取り上げてもらえ光栄」と喜ぶ。西村作品の人気コンビ、十津川警部・亀井刑事は姿を見せていないが、小説新潮の担当編集者、大曽根幸太さんは「物語は東京が起点になっており、2人が捜査に乗り出すことは十分期待できるのでは」と話している。連載は全7回を予定し、来年前半に単行本になる見通し。

 西村さんが、これまで富山を舞台にした作品には「怒りの北陸本線」「風の殺意・おわら風の盆」などがある。

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