「跡部の踊り念仏」で太鼓の音に合わせてかねを打ち鳴らしながら踊る保存会会員ら=4月1日、佐久市

「跡部の踊り念仏」で太鼓の音に合わせてかねを打ち鳴らしながら踊る保存会会員ら=4月1日、佐久市

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全国の踊り「ともに無形遺産に」 長野県内から3件

信濃毎日新聞(2018年6月16日)

 佐久市の「跡部の踊り念仏」や下伊那郡阿南町の「和合の念仏踊り」「新野の盆踊り」を含め、全国の国重要無形民俗文化財をグループ化して、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産登録を目指す動きが出ている。「綾子踊(あやこおどり)」がある香川県まんのう町が主導し、年内にも関係者による連合会を設立する方針だ。

 文化庁によると、雨乞いの踊りである綾子踊は2009年、国がユネスコに登録を提案。だが、未審査のまま登録に至らず、国は似た事例をグループ化して改めて提案する考えだ。今回の同町の動きは、それを踏まえた対応。

 グループ化を目指すのは、今のところ22都府県34市町村にある踊りなど計36件。芸能などを意味する「風流(ふりゅう)」として一くくりにする想定だ。今年1月、関係自治体による連合会設立準備会を立ち上げた。年内に保存会関係者が中心となる連合会設立を目指す。

 跡部の踊り念仏は時宗の開祖、一遍上人が鎌倉時代に伝え、約740年続くと言われる。現在は「跡部踊り念仏保存会」が継承。西方寺本堂に設けた「道場」で太鼓の周りを「南無阿弥陀仏」などと唱えて歩く。保存会長の北村東巳(もとみ)さん(76)は「連合会に参加し、全国レベルの話し合いに加わりたい」。佐久市教委は「登録されれば知名度が上がり訪れる人が増える。全面的に支援したい」とする。

 和合の念仏踊りは、1742(寛保2)年に阿南町に伝わったとの説がある。踊りの終盤には、踊り手が竹で作ったささらと棒を手に、激しく体をぶつけ合ったり、跳ねたりして踊る。地域住民でつくる保存会が継承している。

 新野の盆踊りは1529(享禄2)年に始まったとされ、7種類の盆唄に合わせて8月14日夜から17日朝まで緩やかに踊り続ける。保存会「新野高原盆踊りの会」が継承。山下昭文会長(71)は「祭りの担い手は高齢化している。登録された場合、情報発信や見物客の受け入れといった活動ができるのか、考えていく必要がある」と指摘。「会として登録を目指すかどうかは、これから話し合っていきたい」とするにとどめた。

 まんのう町教委は、連合会で各地の保存会が直面する高齢化や人口減少といった課題を共有するなどし、「支え合う会にしたい」としている。

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