黄金に輝く「仙人掌群鶏図襖」に目を凝らす来場者=金沢市の石川県立美術館

黄金に輝く「仙人掌群鶏図襖」に目を凝らす来場者=金沢市の石川県立美術館

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時代超え花鳥画家競演 「若冲と光瑤」展、開幕

北國新聞(2018年6月24日)

 北國新聞創刊125周年記念「若冲(じゃくちゅう)と光瑤(こうよう)」(本社など主催)は23日、金沢市の石川県立美術館で開幕した。一大ブームとなっている江戸中期の天才絵師伊藤若冲と、若冲再評価の先駆けとなった南砺市(旧福光町)出身の石崎光瑤という2人の花鳥画家の時代を超えた競演に、初日から来場者が詰め掛け、響き合う美を堪能した。
 日本海側初公開となった若冲晩年期の黄金に輝く代表作「仙人掌(さぼてん)群鶏図襖(ぐんけいずふすま)」の前では、来場者が生命力みなぎる表現に見入り、2008年に石川の旧家で発見され、初の「里帰り」となった水墨画の大作「象(ぞう)と鯨図屏風(くじらずびょうぶ)」のユーモラスな筆致に目を細めた。
 今展では大正末期に「仙人掌群鶏図襖」を世に知らしめるなど若冲を研究、再評価した光瑤との競演で、全52点を展示し、花鳥画に独自の世界を切り開いた2人の画業に迫る。
 光瑤が熱帯の自然美を鮮烈に描いた「熱国妍春(ねっこくけんしゅん)」や、若冲の影響が色濃く見える「雪」なども並び、来場者は色彩豊かな光瑤の世界に引き込まれた。
 開場式には約300人が出席し、主催者を代表して温井伸北國新聞社社長、根布寛石川テレビ放送社長があいさつ、表正人県県民文化スポーツ部長、嶋浦雄峰金沢市文化スポーツ局長が祝辞を述べた。嶋崎丞県立美術館長、片岸昭二南砺市福光美術館長、細見良行細見美術館長が加わり、テープカットした。
 美術史家の狩野博幸さん、安村敏信北斎館長、渡邊一美南砺市福光美術館副館長、雪山行二富山県美術館長、片山寛明MIHO MUSEUM特任学芸員、ギャラリー創の山本順子社長、景和の景山由美子社長が出席した。
 同展は北國新聞創刊125周年に加え、石川テレビ創立50周年、石川県立美術館開館35周年を記念して催される。7月22日まで。
 入場料は一般1200円、中高生800円、小学生600円となる。
 24日午後1時半から、若冲研究の第一人者である狩野さんが「若冲を支えた人々―売茶翁(ばいさおう)などなど―」と題して講演する。半券で入場できる。

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