滝をモチーフにした「龍神」をスマートフォンで撮影する来場者=富山県美術館

滝をモチーフにした「龍神」をスマートフォンで撮影する来場者=富山県美術館

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輝く滝 インスタ映え びょうぶ撮影OK、千住博展

北日本新聞(2018年6月24日)

 富山県美術館(富山市木場町)で開催中の企画展「高野山金剛峯寺(こんごうぶじ)襖絵(ふすまえ)完成記念 千住博展」は、現代のアートシーンを代表する日本画家・千住博さんの代名詞とも言える「滝」をモチーフにした作品が撮影でき、会員制交流サイト(SNS)に投稿しようとするファンでにぎわっている。23日も「インスタ映え」する作品を目当てに、県内外から若者らが続々と足を運んだ。

 同展は千住さんの初期作から最新の襖絵・障壁画まで約30点を紹介。20年以上描き続ける滝の作品の変遷が見どころの一つとなっている。

 一般的に美術館では場内撮影が禁止されているが、今回は展覧会の魅力を広く発信してもらおうと、同館は幅22メートル超のびょうぶに滝を描いた「龍神」(2015年)に限定して許可した。日本画で使われる岩絵の具の代わりに蛍光塗料を用いた意欲作で、暗闇でブラックライトを当てると青く輝くのが特徴。周囲が暗くなるにつれ滝の色が白から青に変わる仕掛けになっており、展示室では場内の明るさが一定のサイクルで変化する。

 開幕直後からSNSには「圧倒された」「感動した」などのコメント付きで作品写真が数多く掲載されている。23日も「撮影可能」の掲示を見た来場者がスマートフォンやカメラを手に、青く光る滝を撮影する姿が目立った。千葉県船橋市の会社員、野村優一さん(28)は「斬新なアートで、インスタグラムにアップしたら『いいね』をもらえそう」と期待し、母親と訪れた高岡工芸高校1年の長井嶺奈さん(15)は「角度や場所を工夫して写すのが楽しい」と話した。

 富山県美術館によると、駅などの公共の場に展示されたものを除けば、千住さんの作品を撮影できるのは同館のみだという。同館は昨年8月の全面オープン以来、企画展や常設展で積極的に撮影スポットを設けてきた。「千住博展」を担当する渡辺希利子学芸員は「世界を舞台に活躍する千住さんの作品を撮影できる貴重な機会。作品から受けた感動を多くの人に発信してほしい」と語る。

 企画展は7月29日まで。富山県美術館と北日本新聞社でつくる実行委員会、NHKプラネット中部主催。

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