若冲の「仙人掌群鶏図襖」(奥)と光瑤が模写した鶏図(手前)を見比べる来場者=金沢市の県立美術館

若冲の「仙人掌群鶏図襖」(奥)と光瑤が模写した鶏図(手前)を見比べる来場者=金沢市の県立美術館

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若冲の鶏、光瑤の模写並ぶ 県立美術館「若冲と光瑤」にぎわう

北國新聞(2018年6月25日)

 金沢市の石川県立美術館で開催中の北國新聞創刊125周年記念「若冲(じゃくちゅう)と光瑤(こうよう)」(本社など主催)は24日、家族連れやカップルらが続々と訪れ、休日のにぎわいを見せた。ファンの注目度が高いのは、江戸中期の天才絵師伊藤若冲の晩年期の傑作「仙人掌(さぼてん)群鶏図襖(ぐんけいずふすま)」と、南砺市(旧福光町)出身の日本画家石崎光瑤による模写が初めて並んだ展示で、光瑤の若冲への憧れと敬意を感じさせる競演が人々の関心を集めた。
 20代で若冲の画業に魅せられ、研究を続けていた光瑤は、京都の絵画専門学校の助教授を務めていた1925(大正14)年、大阪・西福寺で「仙人掌群鶏図襖」を確認し、雑誌に寄稿を発表するなど若冲再評価の先駆けとして貢献した。
 光瑤はあらん限りの力で若冲の襖絵を模写し、触発されて描いた大作を翌年の帝展に出品している。
 今展では、光瑤が襖絵の左から2面目と5面目を模写した鶏図が、本物の横に展示された。南砺市福光美術館の渡邊一美副館長は「光瑤もまさか自分の作品が若冲の横に並ぶとは思いもしなかったでしょう。非常に感慨深い」と語る。
 初の日曜を迎え、午前9時半の開場前には約100人が列をつくり、前倒しで開場した。若冲と光瑤の鶏を見比べて鑑賞した埼玉県加須市の会社員、西田洋二さん(61)は「忠実に模写しているが、光瑤の方が脚の表現が細かく立体的に見えた。光瑤のほかの作品も初めて見たが、鮮やかで迫力があった」と話した。

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