下伊那郡阿智村昼神温泉郷の旅館「石苔亭(せきたいてい)いしだ」に、七夕に合わせた「七夕風鈴」が飾られている。来館者が願い事を書いた短冊を付け、風に揺れて涼やかな音色を響かせている。
正面玄関に続く屋根付きの通路やロビーに、朱色の江戸風鈴が約千個。ロビーでは、天井から両側に裾を広げるように張られた十数本の赤いひもに風鈴が連なっている。
「家族が健康で暮らせますように」「(結婚60年の)ダイヤモンド婚まで二人で元気に」―。同旅館おかみの逸見貴子さん(45)は、自然災害が相次ぐ中で絆の大切さを感じる人が多いためか、短冊には「私欲ではなく『周りの人のために』という願い事が多くなっている」と話す。
ロビーの近くには飯田下伊那地域の伝統芸能などを毎夜楽しめる舞台もあり、「風鈴の音色と一緒に夏の夜を楽しんでほしい」と逸見さん。七夕風鈴の飾り付けは8月7日までで見学は無料。