光瑤の「熱国妍春」にじっくりと見入る来場者=金沢市の県立美術館

光瑤の「熱国妍春」にじっくりと見入る来場者=金沢市の県立美術館

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来場者3万人突破 「若冲と光瑤」

北國新聞(2018年7月14日)

 金沢市の石川県立美術館で開催中の北國新聞創刊125周年記念「若冲(じゃくちゅう)と光(こう)瑤(よう)」(本社など主催)は13日、開幕以来の来場者が3万人を突破し、会場は江戸と近代を代表する花鳥画家の共演に触れた鑑賞者の高揚感で包まれた。この日は人間国宝の姿も見え、寸分の隙もなく描かれた代表作にじっくりと見入った。
 江戸中期の天才絵師、伊藤若冲と、南砺市(旧福光町)出身の日本画家、石崎光瑤の52点が並ぶ。若冲の「仙人掌(さぼてん)群鶏図(ぐんけいず)襖(ふすま)」(重文)や、光瑤の「熱(ねっ)国妍春(こくけんしゅん)」の前では幾重もの人垣ができた。
 2人の画業は、石川が誇る伝統工芸の匠(たくみ)たちもうならせた。木工芸人間国宝の川北良造さん(83)は「対象を的確に心に置き、一分の隙もなく再現している」と話し、生涯をかけて画技を磨いた絵師をたたえた。
 釉裏金彩(ゆうりきんさい)人間国宝の吉田美統さん(86)は「大きく空白を取った大胆な作品もあれば、一方で綿密な描き込みもある。光瑤が若冲に引かれた気持ちが分かる」と光瑤に気持ちを重ねた。
 3万人目の来場者、茶林千奈美さん(41)=白山市倉光5丁目=には記念品が贈られた。同展は22日まで。入場料は一般1200円、中高生800円、小学生600円。14日午後1時半から渡邊一美南砺市立福光美術館副館長が記念講演する。

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