立山黒部アルペンルートの「雪の大谷ウォーク」。県内自治体や観光業者が10連休に向け、首都圏でのPRを強化している =昨年4月、立山・室堂

立山黒部アルペンルートの「雪の大谷ウォーク」。県内自治体や観光業者が10連休に向け、首都圏でのPRを強化している =昨年4月、立山・室堂

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10連休は県内誘客の好機 自治体など首都圏でPR

北日本新聞(2019年1月14日)

 改元に伴う10連休に向け、首都圏からの誘客に県内自治体や観光業者が力を入れている。長期休暇で国内旅行の需要が高まる見通しで、高岡市や砺波市は連休中の行事を2~3月に積極的に首都圏で売り込む。立山黒部アルペンルートでは恒例の「雪の大谷ウォーク」を「雪の大谷フェスティバル」と改称し、体験型のイベントを充実する計画で、PRだけでなく内容も磨いて訪れる人を増やす構えだ。

 改元となる5月1日を今年に限って祝日とする特別法が昨年成立し、今年は4月27日から10連休となる。医療など国民生活への影響が懸念される一方、旅行業界では需要拡大が見込まれ、JTBは今年の日本人の国内旅行者数が前年比1・5%増の2億9090万人になると予測する。

 「10連休は大きなチャンスだ」。改元当日に高岡御車山(みくるまやま)祭が開かれる高岡市の担当者はこう強調する。例年、首都圏の駅などに掲示しているポスターを、祭りの動画を楽しめるQRコード付きに一新する予定で、祭りの会場に設置する観光客向けの有料観覧席の拡充も検討している。

 同市は首都圏や関西圏から飛越能エリアへの誘客を目指す「旅行商品開発プロジェクト」の枠組みを生かし、旅行会社に周辺観光を含めた商品づくりを働き掛けている。

 4月22日~5月5日の「となみチューリップフェア」は開催期間の大半が連休と重なる。砺波市は首都圏の大手旅行会社へのプロモーションを済ませ、2月下旬に東京・恵比寿の百貨店、3月にお台場やJRの各駅などでフェアや砺波エリアの自然と食をPRする。担当者は「砺波の認知度を高めたい」と話す。

 連休中にはほかにも県内各地で観光イベントが開かれる。県は本年度内にこれらをまとめ、ウェブ上などで紹介できないか検討している。

 春の県内観光を代表するのが、例年4月中旬から6月中旬に行われる立山黒部アルペンルートの「雪の大谷ウォーク」だ。ただ、これまでは悪天候などでウォークが中止されると、旅行自体がキャンセルされるケースも多かった。

 「雪の大谷フェスティバル」への改称はこの対策の一環で、合わせて同ルートの大観峰も新たにエリアに加え、ウォーク以外でも楽しめる体験型のイベントを行う方向で準備を進めている。

 立山黒部貫光は今後、こうした魅力アップ策の詳細を詰めてホームページで発信するほか、首都圏の大手旅行会社に周知することにしている。立山黒部貫光は「訪れる人の満足度を高め、年間来場者100万人達成につなげたい」としている。

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