福井県勝山市の繊維産業発展に大きく貢献した市指定文化財の旧中尾発電所第1号発電機を展示する施設が、同市のはたや記念館ゆめおーれ勝山敷地内に完成し、4月16日に除幕式が行われた。
1908年、京都電灯が県内2番目の水力発電所として現在の勝山市北谷町中尾に開業し、84年間運転した。繊維産業の力織機化などに貢献したほか、北陸初の電気鉄道開通の動力源にもなった。
発電機と変圧器は米国社製、水車はドイツ社製。1908年製造で現存するのは北陸管内では旧中尾発電所だけという。92年に北陸電力が勝山市に寄贈し、旧北谷小杉山分校跡に保管されていた。
除幕式では、山岸正裕市長が「勝山の産業の歴史を語る貴重な遺産」と紹介。北陸電力執行役員の竹内正美福井支店長は「先人たちのように自然の恵みに感謝し、エネルギーの大切さを知ってほしい」と述べ、地元の成器西小6年生らとともに除幕した。
展示施設は木造屋根付きで34・6平方メートル。第1号発電機は幅7メートル、奥行き2メートル、高さ2メートルに収められた。ゆめおーれ勝山の松村英之学芸員が発電機について解説し、児童らが興味深げに見入っていた。