月光荘から黒部市に寄贈され、セレネに置かれているグランドピアノ

月光荘から黒部市に寄贈され、セレネに置かれているグランドピアノ

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19日、元の持ち主と共演 宇奈月に疎開後 寄贈のピアノ

北日本新聞(2019年5月17日)

 東京・銀座の画材店「月光荘」が戦時中、黒部市宇奈月温泉へ疎開させたグランドピアノによるスペシャルライブが19日、宇奈月国際会館セレネで開かれる。一昨年にピアノを黒部市に寄贈した月光荘3代目店主で音楽家の日比康造さん(43)=東京都=が、ギターと歌、バイオリンで参加し、ピアノと共演する。日比さんは「時空を超えて旅をしてきたピアノの物語が少しでも伝わるような時間を届けたい」と言う。

 月光荘は上市町出身の故橋本兵蔵さんが1917年に東京で創業。店にはピアノがあり、出入りする芸術家らが演奏していた。ピアノは戦時中、橋本さんと一緒に宇奈月に疎開。終戦翌年の大火で地域の小学校が焼けたときは、音楽の授業でも使われた。

 48年に銀座で店は再開され、ピアノは東京に戻ったが、2017年に橋本さんの孫の日比さんが創業100年を記念して黒部市へ寄贈。セレネが管理し、月1回の「月いちライブ」などで活用している。

 日比さんはシンガーソングライターやバイオリニスト、作詞家としても活動する。今回は、17年の寄贈式でライブを行った富山市のジャズピアニスト、松浦有里さんと、バイオリンとギターのデュオ「ミルベゼ」(東京)と共に、日比さんが初めて演奏で出演する。寄贈したピアノで以前に作曲した曲も披露する。

 日比さんは「今後もこの『交流のピアノ』から人の思いをつなげる音楽が豊かに響いていくことを願う」と話す。

 午後5時開演。1ドリンク付き3300円(前売り2800円)。北日本新聞社後援。問い合わせはセレネ、電話0765(62)2000。

 ピアノは6月7日~7月21日、上市町の西田美術館で開かれる「月光荘おじさん展」に貸し出され、7月7日は日比さんのミニライブもある。

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