富山市中心市街地の平和通りで飲食を楽しむ歩行者天国イベント「サマーナイトクリスマス」が1日、第30回を迎える。1989年に始まり、中心商店街を活性化しようと多彩なステージや飲食ブースを企画してきた。2000年ごろからは神通川有沢橋下流で開かれる「北日本新聞納涼花火」を眺める見物席を設け、夏の風物詩を楽しむ催しとして親しまれている。(報道センター・石川雅浩)
イベントは西町、総曲輪通り、中央通りの3商店街や富山市民プラザなどでつくる中心商店街活性化研究会が主催。1985年ごろから富山駅前や市郊外で大型量販店のオープンが相次いだ中で、中心商店街のにぎわいを維持しようと、89年7月に西町商店街振興組合が中心となって始めた。
初回から運営に携わってきた同組合の石井隆信副理事長(67)は「歩行者天国の開放的な空間を活用できる催しを考えたのがきっかけ。毎年楽しんでもらえる企画を商店主らで練ってきた」と振り返る。当初の約10年間は歩行者天国で楽しむビアガーデンや音楽ステージが人気を呼んだ。
イベントの趣が変わったのは2000年ごろ。神通川で打ち上がる花火を平和通りから眺められることをPRしようと、開催日を移して見物席を設けた。この企画が好評を呼び、以降約20年も続く恒例イベントとなった。同組合の鈴木孝理事長(65)は「多くの来場者に支えられ、長く続けてこられた」と目を細める。
あすのイベントは午後5時に始まり、飲食26店と花火観覧席2459席が並ぶ。石井副理事長は「第30回を迎え、いま一度、戦争犠牲者の鎮魂という花火の原点を思い返し、平和な時代の夜祭りを楽しんでほしい」と話している。