かねの音や念仏に合わせ、体を入れ替える児童=8月13日夜、福井県小浜市西相生

かねの音や念仏に合わせ、体を入れ替える児童=8月13日夜、福井県小浜市西相生

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300年以上の伝統、六斎念仏で先祖供養 福井県若狭地方

福井新聞(2019年8月15日)

 福井県の若狭地方に伝わるお盆の伝統行事「六斎念仏」が8月13日夜、小浜市西相生で営まれた。小中学生や大人が各家庭の仏壇前で、念仏やかねの音に合わせて舞や太鼓を奉納し、先祖の霊を迎え供養した。

 平安時代に京都で始まった踊り念仏の一種で、「若狭の六斎念仏群」は、日本遺産「御食国(みけつくに)若狭と鯖街道」の構成文化財。同区に伝わる「奥窪谷の六斎念仏」は県無形民俗文化財で、少なくとも300年以上前から伝わっている。

 小学2年生から50代まで地元の約20人が、黄色い和服「カンバン」を着て午後6時ごろ集合。集落の全23戸や観音堂、墓地などを巡った。

 小学生が演じる一六斎(ひとろくさい)、中学生の二六斎(ふたろくさい)、大人の三六斎(みろくさい)の3種類があり、いずれも3人一組で奉納。周囲の大人衆が「カンカンカカカン」とにぎやかにかねを鳴らし念仏を唱える中、3人が片手に太鼓を持ち、太鼓を振り回すように左右に持ち替えたり、体を入れ替えたりして舞った。

 初めて演じた男児(8)は「本番は緊張する」と汗だくになりながら懸命に奉納。別の9歳の男児は「ご先祖様にかねの音に気付いてもらい、みんなを見守ってほしい」と心を込めて舞っていた。

 国選択無形民俗文化財の若狭町瓜生、三宅の六斎念仏も同日営まれた。

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