JA根上(能美市)は13日までに、県九谷焼技術研修所(同)の研修生と卒業生の作品を同市大成町の本店で常設展示する取り組みを始めた。研修所に隣接したギャラリー以外での常設展は初めてで、同JAが協力を申し出た。市内外の顧客やJAの役職員に九谷焼が盛んな能美の息吹を感じてもらう環境を整え、若手作家の活動や販路開拓を側面支援する。
研修所の松本毅所長と元県職員の森山直喜JA能美専務理事が同僚だったことが縁で、森山専務理事が松本所長に話を持ち掛けた。
第1弾の作品展(北國新聞社後援)では、いしかわ動物園で飼育中のホワイトタイガーやライチョウ、トキ、カメレオンなどをかたどった8点をロビーに陳列し、古九谷の絵皿など3点を組合長室に飾った。
いずれも研修生とOB、OGが実習で取り組んだ力作で、作品はケースに入れず、じかに魅力に触れられるようにした。九谷焼の工程を紹介する大型パネルも設置した。
研修所の藤原元(はじめ)技術指導課長によると、卒業生の作品は市内の県九谷焼技術者自立支援工房のギャラリー彩で展示販売しているが、工房外で常設展示されるケースはなかった。
同JAでは四半期ごとをめどに作品を入れ替える予定で、吉岡康廣組合長は「多くの人の目に触れることで若手作家にとって刺激になると考えた。顧客やJA役職員にとっても作家との新たな出会いにつながる有意義な取り組みにしたい」と話した。