火焰型土器などが並ぶ馬高縄文館の展示室

火焰型土器などが並ぶ馬高縄文館の展示室

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火焰土器の魅力伝え続け 馬高縄文館19日10周年 長岡

新潟日報(2019年9月18日)

 国重要文化財の火焰土器が発見された馬高遺跡の出土品を収蔵・展示する馬高縄文館(新潟県長岡市関原町1)が19日、開館10周年を迎える。地元住民の熱意を受けて開館し、火焰土器や縄文文化のPR拠点の役割を担っている。同館は節目を祝うイベントを企画。「縄文に興味を持ってもらうきっかけにしたい」としている。

 馬高遺跡は1979年、隣接する三十稲場遺跡とともに国史跡になった。その後、出土した土器や土偶など約300点が国重要文化財に指定された。

 馬高縄文館は2009年9月19日、出土品と遺跡をPRする施設として長岡市が開設した。土器作りが体験できる学習室や収蔵庫を備え、年間7千~8千人が訪れている。

 名誉館長の小林達雄・国学院大名誉教授(81)は「縄文館は火焰土器を中心に、縄文の正体に接近できる場所だ。馬高遺跡と縄文館が同じ場所にあることで発信力が高まる」と意義を強調。今後については「縄文をいかに現代に生かすかということを考える足場として、展示内容を常に考え続けないといけない」と進化を求める。

 縄文館の建設は、地元の関原地区の後押しで実現した。住民は1965年、火焰土器を後世に伝えることを目的に、馬高遺跡保存会(現在の馬高・三十稲場遺跡保存会)を設立した。地元住民の寄付などで遺跡の敷地の一部を購入して市に寄付し、発掘調査を手伝うなど協力してきた。

 保存会は現在、会員約150人で、草刈りや植樹を継続している。笹川文雄会長(79)は「縄文館によって遺跡の発信力が高まった。関原のシンボルとして多くの人が訪れるよう、今後も協力したい」と話す。

◎記念ファイル配布 21日から特別展も

 馬高縄文館では、開館10周年を記念してクリアファイルを作成。先着3千人に無料で配布している。火焰土器は11月中旬まで県立歴史博物館に貸し出し中で、縄文館ではレプリカを展示している。

 縄文館の特別展「三十稲場式土器とその文化」は21日~11月4日に開催。棒でつついたような独特の模様が特徴の三十稲場式土器のほか、2018年にフランスで開催された展覧会で注目された漆の水差しなど約80点を展示する。10月6日午後2時には、小林国学院大名誉教授の記念講演会を開く。

 小熊博史館長(56)は「イベントが馬高遺跡をより身近に感じるきっかけになればうれしい」と話している。

 入館料200円、高校生以下無料。講演会は定員50人で申し込みが必要。問い合わせは同館、0258(46)0601。

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