江戸時代の大ぶりなにぎりずしのレプリカなどが並ぶ企画展=福井県小浜市食文化館

江戸時代の大ぶりなにぎりずしのレプリカなどが並ぶ企画展=福井県小浜市食文化館

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日本の暮らしはコメだらけ 小浜市食文化館で企画展

福井新聞(2019年11月14日)

 日本人の主食、コメに焦点を当てた企画展「日本の米と暮らし」が、福井県小浜市食文化館で開かれている。伝統、昔話、漢字、娯楽などさまざまな切り口で、コメが生活にいかに溶け込んでいるかを再認識できる興味深い展示となっている。来年3月15日まで。

 「おむすびころりん」「さるかに合戦」など、おにぎりが登場する昔話を紹介。「糠(ぬか)」「科」「料」といったコメにまつわる漢字も小パネルで展示され、ひっくり返すと由来が確認できる。再現展示された江戸時代の芝居見物の幕の内弁当はおにぎりが四つ入っており、コメの存在感が大きい。豪勢なお重の花見弁当にはタイのすしや餅があり、現在より大ぶりな当時のにぎりずしのレプリカも並ぶなど食欲がそそられる。

 小豆がゆ、涅槃(ねはん)団子、酒、地蔵盆の時に三角すい状に盛り付ける団子など、小浜市の伝統行事にはコメが欠かせないことも紹介。昔は盆や葬式など、集落の集まりの際に住民がコメを持ち寄っていた歴史もあり、持ち運ぶための巾着「ツツミ」も展示している。

 好きなおにぎりの具、俵や三角など地域ごとのおにぎりの形を紹介したコーナーも面白い。戦前は特にコメは貴重で、白米をおなかいっぱい食べることはあこがれだったが、1962年をピークに消費量が減少している歴史も解説している。同館の一矢典子学芸員は「いつもは普通に食べているお米と暮らしの関係を見直してみてほしい」と話している。

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