輪島市は12月中旬、東京・銀座に輪島の文化や観光資源を発信するショールームを開く。東京五輪が閉幕する2020年秋までの期間限定で、来春から輪島塗の沈金を体験できるワークショップを定期開催する。入居スペースはIT企業から無償提供され、五輪イヤーで流れ込む国内外の観光客に輪島の魅力を売り込む絶好の機会となる。
ショールームは銀座8丁目の電算(東京)の本社ビル1階で、銀座三越とJR新橋駅の中間に位置する。同社は輪島市で仕事をした縁で、7月に無償提供することで同市と合意した。ビルの改修のため、8月から輪島の海女漁をアピールする写真展示のみ行っていたが、近く工事が終了するめどが立ち、来月中旬に本格オープンできる運びとなった。
市は、国名勝「白米千枚田」を2万5千個の発光ダイオード(LED)で彩るイルミネーション企画「あぜのきらめき」の大型写真フィルムをショールームに貼る。輪島塗の作品を展示するほか、大型モニターを設置し、輪島の味覚や豊富な自然を紹介する。
沈金のワークショップは、手軽に輪島塗の伝統に触れることができる。輪島から職人を派遣し、週末を軸に開催する方針。
市の担当者は「東京五輪の開催時は世界から東京に人が集まり、銀座もにぎわうだろう。このチャンスを生かし、東京では珍しい企画で人を引きつけ、輪島塗を発信したい」と話した。