加山又造の作品が並ぶ展示室を案内する伊勢会長=イセ食品富山事務所

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芸術文化の交流拠点 イセ食品、高岡市に美術館

北日本新聞(2019年11月21日)

■伊勢会長収集品を展示

 鶏卵最大手のイセ食品(埼玉県鴻巣市)は、高岡市福岡町福岡新の富山事務所に美術館とオフィスを兼ねた新棟を建設した。世界的な美術品収集家として知られる同社の伊勢彦信会長=高岡市=のコレクションを展示。既存棟も改修してホールと茶室を構え、セミナーやイベントに活用する。芸術文化をはじめ経済、教育など各界の関係者が交流し、新たな価値を創造する拠点を目指す。

 新棟は既存棟の西隣に整備し、鉄骨2階建て延べ1095平方メートル。国道8号に面した南側はガラス張りで、建物を巨大な額に見立てた。屋内には近現代を代表する日本画家、加山又造の代表作「千羽鶴」を原作とする舞台幕(縦7メートル、横25メートル)を掲げ、ガラス越しに眺めることができる。

 美術品の展示室は1階で、「月光波濤(げっこうはとう)」など加山の大作屏風絵を並べた。2階には既存棟から移したオフィスが入る。

 これまで事務所や倉庫だった既存棟1階は、ホールと茶室に改修。ホールには世界各国で収集した個性的な椅子とピアノを置いた。

 伊勢会長のコレクションは日本画、西洋画、陶磁器と幅広く、権威ある米国の美術品売買の情報サイトで、日本人トップのアートコレクターに選ばれたこともある。美術品の調査研究、展覧会の開催などの事業を展開するイセ文化財団の代表理事も務め、国内外で芸術文化の振興に貢献している。

 展示室の公開は警備上の観点などから招待者だけに限定するものの、ホールは一般の人が利用できるようにする。鶏卵の健康、美容効果を紹介するセミナーを計画している。

 伊勢会長は新棟を「新たな文化や発想の拠点」と位置付けており、「さまざまな人がアートに触れながら交流することで、新たなエネルギーが生まれるようにしたい」と話している。

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