新たな工芸品の開発に取り組む職人グループ「若狭の空と海とものづくり」の作品展=12月2日、福井県若狭町パレア若狭

新たな工芸品の開発に取り組む職人グループ「若狭の空と海とものづくり」の作品展=12月2日、福井県若狭町パレア若狭

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若狭の職人芸、150点を一堂に展示 福井

福井新聞(2019年12月3日)

 福井県若狭地域の伝統工芸を組み合わせ新たな工芸品の開発に取り組む職人グループ「若狭の空と海とものづくり」の初の作品展が12月15日まで、福井県若狭町パレア若狭で開かれている。若狭塗や組子細工、若狭めのうなどの工芸品のほか、職人が使っている道具など計約150点を展示。同グループは「手作りの工芸品の美しさや職人たちの思いを感じてもらい、伝統工芸に興味を持ってもらいたい」と話している。

 同グループは、伝統工芸の職人や作家が持つ技術を組み合わせることで新たな価値を生み出そうと、若狭塗や若狭めのう、若狭パール、組子細工、ガラス細工、陶芸、蒔絵(まきえ)、越前和紙の職人10人で2016年に結成した。

 同グループの作品展は今回が初めてで、メンバー9人が出品した。くぎを使わず巧妙な木の組み合わせで文様を作る組子細工職人の土本恭義さんと妻の聡美さんは、組子作品など約20点を展示。「麻の葉文」は六角形の枠の中に麻の葉の模様を形作り、隙間に青色のガラスをはめ込んだ作品。生育が早い麻になぞらえて、子どもが健やかに育つよう願いを込めているという。

 このほか、パネルで製造工程を紹介しているほか、真珠の選定や大きさの測定に使う道具や、若狭塗の模様作りに使う卵殻や貝、組子細工の木材の厚みをそろえるために使う鉋(かんな)など、工程について想像をかき立てる展示となっている。

 同グループが考案した若狭めのうと若狭パール、組子細工のコラボレートアクセサリーが19年3月、近畿経済産業局の「クールジャパン商品」に選ばれ、9月から3月末までパリのショールームで展示販売されている。今回の作品展でもパリで販売しているネックレスやピアスなど約10点も展示している。

 同グループ代表で陶芸家の飛永なをさんは「完成品や道具を見て、職人の細かな作業工程まで想像してもらえればうれしい」と話している。

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