旧相川税務署=佐渡市相川長坂町

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歴史的風致計画案承認 旧相川税務署活用、街路灯の整備

新潟日報(2019年12月11日)

 歴史的な建物と伝統行事を生かしたまちづくりのため、新潟県佐渡市が策定を進める「歴史的風致維持向上計画」の原案が、専門家などによる協議会で承認された。相川地区の市街地を重点区域として、旧相川税務署の整備や観光ガイドの育成など、10年間の計画を定めた。1月10日までパブリックコメントを求め、2020年度からの実施を目指す。

 歴史的風致維持向上計画は、伝統的な町並みや地域の文化を維持・向上させるため、歴史まちづくり法に基づいて策定される。約50年以上の歴史がある建造物と活動を保全する計画を自治体が策定・申請し、国から助成を受ける。新潟県では村上市が認定されている。

 専門家や地元住民、行政関係者ら15人でつくる「歴史的風致維持向上協議会」が18年から行政と情報を共有し、市民ワークショップなどを開きながら計画案を作成してきた。

 11月28日の会合で承認された原案では、善知鳥(うとう)神社(相川下戸村)の祭礼、鬼太鼓など市内の11件を「歴史的風致」として維持や活用の対象とした。既に着手しているものも含め、24の事業を計画。旧相川税務署などの歴史的建造物の活用に加え、街路灯や駐車場の整備、外国語ガイドの育成などの観光施策、防災態勢の強化などの文化財保護対策を盛り込んだ。

 計画の重点地域となる相川の鉱山町周辺は、22年の世界遺産登録を目指す「金を中心とする佐渡鉱山の遺産群」の構成資産となる地域を含む。保全に加え、関連した観光客の増加なども視野に入れる。

 協議会の会長を務めた新潟大の岡崎篤行教授(54)は「地域の意見を取り入れられた。さらに充実した整備で価値を高めたい」と話した。

 原案は市役所や各支所、市ホームページなどで閲覧できる。

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