かわいいヤギに囲まれ、笑顔を見せる村江さん(左)と清美さん

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ヤギ牧場、夢は50頭 訪問客増え古里活気

北日本新聞(2020年1月6日)

 氷見市大野の元板金業、村江元三さん(74)は、過疎化が進む生まれ故郷を元気付けようと、同市吉懸でヤギ牧場を運営している。昨年12月下旬に子ヤギが2頭生まれて計13頭になり、50頭の大牧場を目指す。障害があるヤギも大切に育てており、触れ合いを求めるリピーターが増えている。

 中山間地の吉懸には村江さんが子どもの頃、民家が30軒あった。現在は10軒を割り込み、人が住むのは5軒程度になっている。

 古里がさびれていくのがしのびなく、村江さんは活性化策を考えた。浮かんだのは子どもの頃、近所で飼われていたヤギの愛らしさだった。訪れた人に「また来たい」と思ってもらえると直感した。

 2017年12月、かつて養豚業を営んでいた住民から施設と土地を借りた。70歳まで現役で働いていただけに、独力で旧豚舎のトタン屋根を張り替えるなど整備に励んだ。

 18年春、最初の3匹を市内から譲り受けた。やがて子ヤギが生まれ、県外からも受け入れるなどして順調に増やしてきた。

 困難もあった。19年5月に生まれた子ヤギは生後1カ月で突然歩けなくなった。獣医に診てもらったが、原因は分からない。妻の清美さん(69)もかわいがっており、天気のいい日は一輪車に乗せて牧草地に運び、ほかのヤギと一緒に日光浴をさせている。

 「吉懸牧場」としてホームページで情報を発信。会員制交流サイト(SNS)や口コミで訪問客が増えたため、休憩所を整備した。見学は無料。古里に笑い声を響かせたい一心だ。

 耕作放棄地を利用して1200~1500平方メートルの牧草地を4カ所準備し、ヤギ舎を増築中。牧場に毎日通っている村江さんは「人懐こく、初めての人にも寄ってくる。幼い子でも触ることができ、年配者の癒やしにもなるはず」とヤギの魅力を語る。雪が積もれば泊まり込みで世話をして春を待つつもりだ。

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