民泊施設「OTONARI」のリビングで家族と座るオーナーの高須雅史さん

民泊施設「OTONARI」のリビングで家族と座るオーナーの高須雅史さん

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民泊施設20日プレオープン 国文化財の蔵を改修 新潟

新潟日報(2020年1月17日)

 新潟市中央区の下町(しもまち)地域に、約140年の歴史のある蔵や隣接する民家をリノベーションした民泊施設「OTONARI(おとなり)」が完成した。下町界隈(かいわい)では初の民泊施設で、1月20日にプレオープンする。オーナーの高須雅史さん(37)は「シモの歴史と人情を味わう拠点として生かしたい」と話している。

 民泊施設は、同区上大川前通12の高須さんの自宅にある蔵と隣の空き家を改修した。蔵は、コメ問屋として財をなした高須家が明治期に建てたもので、昨年夏に国の登録有形文化財に指定された。

 同地域には、明治期の豪商宅で市文化財の旧小沢家住宅をはじめ、風情のある町屋が並ぶ。周辺の歴史的街並みの保存活動に取り組む高須さんは、自宅の蔵も観光資源に生かせないか模索してきた。

 2年前、長年空き家になっていた隣家が売りに出されていることを知り、蔵と一体で民泊施設に活用しようと隣家を買い取った。改修の大半は家族や街づくり活動の仲間たちと共に手作りで少しずつ進めてきた。

 蔵は1階部分をリビング、2階を寝室にした。2階建ての古民家は吹き抜けにし、室内庭園付きのリビングのほか、キッチンや浴室も新しくした。室内のデザインを担当した妻の真理さん(35)は「子どもが遊べるように広々とした造りにした」と話す。

 昨年、市に住宅宿泊事業法(民泊法)に基づく営業申請を届け出、今月初旬に認可が下りた。

 下町では人口減少が進み、近隣の古町では3月に新潟三越が閉店するなど、地域の活力が失われつつある。それでも高須さんは「シモや古町は湊町(みなとまち)の歴史を感じられるエリアだ。人情豊かでレトロな商店街もあり、民泊施設を利用して長く滞在して地域の良さを感じてほしい」と語る。

 18、19の両日午後1~5時に内覧会を開く。20日にプレオープンし、2月中旬から本格稼働する。宿泊料金は大人2人で1万6千円(プレオープン時)。複数のグループや家族でも利用できる。

 問い合わせはOTONARI、080(7318)5245。

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