内覧会で作品について語る浅田政志さん(中央)=1月24日、福井県あわら市の金津創作の森美術館

内覧会で作品について語る浅田政志さん(中央)=1月24日、福井県あわら市の金津創作の森美術館

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浅田政志展開幕、多彩な家族写真 3月8日まで福井県あわら市の金津創作の森

福井新聞(2020年1月25日)

 家族の姿をユニークな切り口で撮り続ける写真家浅田政志さん(40)の個展「Family Photo Tree」(福井新聞社共催)が1月25日、福井県あわら市の金津創作の森美術館で始まる。多彩な"コスプレ"で撮影した自身の家族や一般家族の写真を中心に189点を披露。笑いや驚きを誘う構図の中にある被写体の笑顔や、ほのぼのとした雰囲気を通じ、家族写真の意味を見つめ直す展示となっている。

 浅田さんは津市出身で日本写真映像専門学校卒。自身を含めた家族4人が過去の思い出を再現した写真や消防士、ラーメン店の店員などに仮装し撮った写真集「浅田家」を2008年に発表。この作品で写真界の"芥川賞"とも称される「木村伊兵衛賞」を受賞した。今年10月には同作品集などを原案にした映画「浅田家!」が公開予定。

 家系図やルーツを意味する「Family tree」。木の年輪のように「撮り重ねた家族写真の物語」との思いを個展のタイトルに込めた。モノクロの「卒業制作」、代表作「浅田家」シリーズなど、浅田作品の歩みがたどれるよう展示。会場中央にベンチなどを配置し、ゆったりとした気持ちで鑑賞できるよう工夫を凝らした。

 全国を回り一般家族を収めた「みんな家族」のコーナーには、今展に合わせて撮り下ろした県内2家族の写真を展示。併せて撮影の様子を動画でも紹介し「浅田作品」ができあがる撮影現場の"裏側"を知ることができる。

 24日は内覧会があり、関係者約40人に浅田さんは、家族写真を撮り始めたきっかけや作品制作の裏話をユーモアたっぷりに話した。思わず噴き出してしまうコミカルな設定や、コスプレを全力で楽しむ家族の姿、細部まで意識した小道具などが目を引いていた。

 会期中、来場者に図録代わりに浅田さんが展示について解説したタブロイド紙が配られる。初日の25日午後1時半から、浅田さんの「トーク会」を開催。定員150人。同3時15分から、書籍購入者を対象にしたサイン会もある。

 展示は3月8日まで(月曜休館。祝日の場合は翌平日に休館)。観覧料は一般800円、65歳以上と障がい者は400円、高校生以下と障がい者の介護者は無料。問い合わせは金津創作の森財団=電話0776(73)7800。

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