南砺市福光地域の宇佐八幡宮の春祭りで、みこし巡行の中心となる数え42歳の世代の法被が、福光地域の呉服店のショーウインドーに飾られている。新型コロナウイルス感染拡大の影響で巡行は中止となったが、鮮やかな法被が行き交う人たちを楽しませている。
宇佐八幡宮の春季祭礼では、厄年の男衆が巨大なみこしを担ぎ、1日がかりで旧町約11キロを練り歩く。230年以上の歴史があるとされ、今年は今月19日に開催する予定だった。数え42歳の世代でつくる「勢光(せいこう)会」が半年以上前から準備を進めてきたが、中止となった。
福光地域中心部の老舗呉服店「和多屋(わたや)呉服店」の長女、谷村道子さんは勢光会のメンバーと同級生。巡行は取りやめになったものの、法被だけでも披露しようとショーウインドーに飾った。
えとのさるやひつじ、小矢部川沿いを彩る桜などが染め抜かれた黄色の法被で、大勢の人が足を止めて見入っていた。
谷村さんは「本当は同級生が着た姿を見たかったが、仕方ない。一生懸命準備してきた皆の思いを、少しでも伝えられたらいい」と話している。