日常生活や「排除しているもの」をテーマにしたコヤマさんの新作

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公開断念でも創作のヒントに アートハウスおやべ現代造形展受賞作家展

北日本新聞(2020年5月12日)

■芸術関係者のみ観覧OK

 全国公募のアートハウスおやべ現代造形展の受賞作家展「アートの今 2020」の作品が、休館中の小矢部市の同ハウスで24日まで展示されている。新型コロナウイルス感染拡大のため、開幕前日の4月17日に休館が決定。ゴールデンウイーク明けの再開に備えていたが、休館が5月31日まで延び、公開を断念した。創作活動のヒントにしてほしいため、市芸術文化連盟会員らの観覧希望にのみ応じる。

 造形展は昨年4月に開かれ、3部門に全国32都道府県の10~70代から232点が寄せられた。インスタレーション、立体、平面の3部門で受賞した作家3人の作品を今回展示している。

 大賞・小矢部市長賞に選ばれたインスタレーション部門のコヤマイッセーさん(40)=東京=は受賞作を含む15点を出展した。

 新作「この先何をすべきか分からず途方に暮れる所から始める」は、高さ3・6メートル、幅4・5メートルの板にアクリルで描いた大作。右半分は日常生活、左半分は動物や自然など「排除しているもの」をテーマとした。右半分には新型コロナウイルスやマスクを描くなど、世相を反映させた。

 特別賞のうち、北日本新聞社賞に輝いた立体部門の上坂直さん(富山市)の「個人的聖域群」は、衣装ケースを積み重ね、都会で人が収納されるように暮らす様子を表した。

 小矢部市企業協会長賞に選ばれた平面部門の馬見塚喜康さん(愛知)の「こもれび」は、マンションの駐車場からの光景を描いた。

 学芸員の二塚望さんは「作家の方々の思いを考えると、やるせない気持ちでいっぱい」と話す。3人の作品を1室ずつに飾っており、個展の雰囲気を味わえるとし「それぞれの個性を感じてほしい」と言う。市芸術文化連盟のほか、市、市教委など協賛団体関係者の観覧希望にのみ応じる。入場無料。北日本新聞社共催。

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