水生植物を紹介する看板=小松市の木場潟公園西園地

水生植物を紹介する看板=小松市の木場潟公園西園地

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小松市の木場潟 水生植物の再生が進む

北國新聞(2020年5月23日)

 小松市の木場潟で繁茂する希少な水生植物が近年、年間1割のペースで生育面積を広げている。市立博物館の調査で「絶滅」と報告されたのは1980(昭和55)年で、その3年後、後の木場潟再生プロジェクト立ち上げに加わった地元有志が復活へ活動を開始。自宅で苗を育て、潟に植えるなどの努力が実を結び、現在は約1万平方メートルに広がる「楽園」に姿を変えている。
 2004年に発足した同プロジェクトの担当者によると、生活排水の流入などが理由で、県の絶滅危惧Ⅱ種に指定されているオニビシなどの浮葉植物が姿を消した。83年、顧問を務める大井貞夫さん(86)=同市今江町2丁目=らが苗を育てて植え付けてきた。
 メンバーで同公園協会の藤田勝男代表理事(79)によると、現在は木場潟東部エリアで、オニビシのほか、県の絶滅危惧Ⅰ種のガガブタや、同Ⅱ種のアサザなど浮葉植物3種類が繁茂している。下水道普及率の上昇、大日川ダムの水を木場潟に引き込むことによる水質浄化など環境が改善されたことも、水生植物の定着につながったとみている。
 公園協会は22日、同公園西園地の水草園で、水生植物を紹介する看板を設置した。約800平方メートルの水草園では、ミズアオイやミズオオバコなど25種類の水生植物が育てられ、このうち絶滅危惧種を中心に18種類を写真付きでまとめた。
 プロジェクトリーダーの土田準さん(69)は「これから水生植物が花を咲かせるシーズンなので、散策してじっくり楽しんでもらいたい。今後も水生植物を守っていく」と語った。

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