テレワーク応援プランで用意する客室=白山市尾添

テレワーク応援プランで用意する客室=白山市尾添

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一里野でテレワークを 雪不足、コロナ、ホワイトロード通行止めの三重苦打開目指す

北國新聞(2020年5月31日)

 白山一里野温泉の「一里野高原ホテルろあん」(白山市尾添)が、7泊以上で料金が通常の半額以下になるテレワーク応援宿泊プランを打ち出した。長期滞在者が自由に使える共用のキッチンも整備中。雪不足、新型コロナウイルス、白山白川郷ホワイトロード通行止めで利用客が減る中、「移住」感覚で山暮らしを満喫できる新スタイルで需要を開拓し、コロナ禍での生き残りを目指す。
 通常は1泊1万円台から各種プランが用意されているが、新プランは7泊以上で1泊食事なし3960円、3食付きで5478円(いずれも税込み)に設定した。館内はWi―Fi(ワイファイ)の使用が無料で、現在キッチンを整備している。
 同ホテルは30室の客室を持ち、一里野温泉の宿泊施設で最も大きい。隣接地では、2017年に閉鎖された「旧ホテルニュー白山」の23室をゲストハウスとして改修した。
 今年は降雪が少なかったスキーシーズンの集客が伸びず、新型コロナの影響も重なって4月の宿泊客は前年同月比で90%減となった。さらにホワイトロードの来年5月までの通行止めが決定。山﨑太一朗社長(50)は「廃業するホテルも出てくるかもしれない」と危機感を募らせる。
 ホテルでは以前から、ロビーなどでパソコンを広げて仕事をする宿泊客の姿があり、コロナ禍の働き方の変化で新たな需要が見込めるとプランを考案。社員の副業を解禁する企業もあることから、テレワークで仕事をしながら一里野の耕作放棄地で農作業や林業に従事してもらう企画も検討している。
 山﨑社長は「コロナ禍で働き方を考える人が増えた。自然の中での暮らしに関心を持ってもらい、一里野が『人種のるつぼ』になるとうれしい」と将来の移住者増加にも期待している。

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