宮中の「新嘗祭」に献納される米の田植式が5月30日、福井県福井市大土呂町で行われた。奉耕者を務める農家らが引き締まった表情で神事に臨んだ。
県内からの献穀は1892年から行われ125回目。奉納する穀物を育てる「献穀田」と奉耕者は、毎年県内持ち回りで決められる。福井市からの献穀は4年ぶり。品種は福井のブランド米「いちほまれ」が選ばれた。
田植式は新型コロナウイルスの影響で規模を縮小。関係者や早乙女らを交えての苗の植え付けは行わず、神事のみが行われた。1アールの献穀田を前に神事「御田植之儀(おたうえのぎ)」が行われ、農家がおはらいを受けた苗3束を献穀田にまく様子を住民らが見守った。
。奉耕者を務めた農業の男性は「選ばれ感極まる思い。農家を代表しておいしいコメを届けたい」と話した。9月中旬に刈り取り、精米1升(約1・5キロ)を11月の新嘗祭に献上する。