越前焼の「窯元応援プロジェクト」の準備を進める県陶芸館スタッフ=福井県越前町小曽原の同館

越前焼の「窯元応援プロジェクト」の準備を進める県陶芸館スタッフ=福井県越前町小曽原の同館

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越前焼の窯元を応援 新作を月替わり展示販売

福井新聞(2020年6月2日)

 福井県越前町の越前陶芸村で予定されていた「越前陶芸まつり」が新型コロナウイルスの感染拡大で中止になったのを受け、同町の県陶芸館と越前焼工業協同組合が協力し、作品販売の場を失った越前焼の窯元を支援するプロジェクトを立ち上げた。6月3日から陶芸館と組合直売所「越前焼の館」に特別コーナーを設け、9月まで窯元が月替わりで新作などを展示販売していく。

 陶芸まつりは例年5月に3日間開かれ、窯元が一堂に会する陶器市や陶芸体験、バザーなど多彩な催しが行われる。約10万人が訪れる一大イベントで、まつりのために新作を用意する窯元や、まつりが年間売り上げの中で高い比重を占める窯元もいる。

 今年は5月23~25日に約60窯元が参加して開催予定だったが、新型コロナの影響で中止された。このため陶芸館と組合が連携し、「窯元応援プロジェクト」に取り組むことを決めた。陶芸館と組合事務局は共に陶芸村内にあるが、運営母体が異なることもあり、イベント以外でタッグを組む例はほとんどなかったという。

 陶芸館と越前焼の館にそれぞれ、新型コロナの感染防止対策を取った上で、特別コーナーを設置する。9月まで毎月6~7窯元が作品を並べて販売し、来場者に手に取って見てもらう。両会場に共通のロゴを掲示し、連携した取り組みであることをPRする。

 6月は、福井市に焔奏(えんそう)窯を構える福島宏治さん(50)ら6窯元が約500点を出品する。陶芸まつり用に用意した約30点を出す福島さんは「陶芸まつりは規模が大きく、越前焼作家にとって特別なイベント。この機会に遠方から来てくださるお客さまもおり、そんなつながりが今回戻ってくることを期待したい」と話した。

 陶芸館を含む越前陶芸公園運営管理統括責任者の玉置大剛さんは「力を合わせて取り組むことで、少しでも窯元が立ち上がるきっかけになれば」と述べた。組合の吉田豊一代表理事も「窯元が大変な時期に、産地を盛り上げていけたら」と意気込んだ。

 問い合わせはプロジェクト事務局の陶芸館=電話0778(32)2174。

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