アマビコが登場する古文書などを展示した企画展=6月23日、福井県越前市武生公会堂記念館

アマビコが登場する古文書などを展示した企画展=6月23日、福井県越前市武生公会堂記念館

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妖怪アマビエのルーツ、郷土資料展示 越前市武生公会堂記念館

福井新聞(2020年6月24日)

 江戸時代を中心に昔の人たちが疫病とどう向き合ってきたかを、歴史資料を通じて伝える緊急企画展が6月23日、福井県越前市武生公会堂記念館で始まった。新型コロナウイルスで注目を集める疫病よけの妖怪「アマビエ」のルーツ「アマビコ」が登場する郷土資料も展示している。7月26日まで。

 企画展「アマビコとはやり病」では、江戸時代を中心に古文書などの歴史資料約60点を紹介している。同館は現在の越前市や南越前町を領地とした有力旗本「金森左京家」に伝わる古文書「雑書留(ざっしょどめ)」に、アマビコが挿絵入りで記載されていたことに注目。江戸時代に流行した天然痘、コレラに関する資料も集めた企画展の準備を約1カ月前から進めてきた。

 目玉となる金森左京家の古文書のほか、湯尾峠(南越前町)の茶屋数軒で売られ、全国的に有名だった天然痘よけの守り札「孫嫡子(まごじゃくし)」なども展示。府中(越前市)にあった藩校「立教館」の中核だったが、コレラで命を奪われた儒者、沖薊斎(けいさい)の漢文体書簡も並ぶ。

 会場に天然痘に当時効くとされた「牛糞(ふん)の黒焼き」などを売る仮想の店舗を設けるなど、遊び心のある趣向も凝らした。同館は「天然痘やコレラの大変な歴史を乗り越えて今があることを知ることで、新型コロナもきっと克服できると元気になってもらえたら」と話している。

 開館は午前10時~午後6時、月曜休館。入館無料。

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