完成した動画と、英訳絵本のサンプルを並べる白山市職員=市役所

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人形浄瑠璃 「でくまわし」の英訳動画

北國新聞(2020年6月27日)

 白山市国際交流協会は26日までに、白山麓に伝わる国重要無形民俗文化財の人形浄瑠璃「尾口のでくまわし」を英語で紹介する動画を作成した。市国際交流員らが歴史や文化を解説。演目の一つ「酒呑童子(しゅてんどうじ)」の紙芝居を読み上げ、動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開した。7月3日には英訳した絵本が完成する予定で、留学生が在籍する大学などに300冊配布し、市の伝統芸能をPRする。
 でくまわしは旧尾口村の東二口と深瀬に350年以上前から伝わる。哀愁のこもった「泣き節」の語り口とともに「でく」と呼ばれる人形を操って演じる。
 動画の前半は、市国際交流員のダニエル・ヘリオットさん(28)と、白山手取川ジオパーク推進協議会専門員のスーザン・メイさん(27)が出演し、でくの操り方や昭和30年代の稽古の様子などを実演や写真とともに紹介している。
 後半は、金城大短大部のガート・ウエスタハウト教授が、源頼光らが大江山に住む鬼を退治する酒呑童子の物語を紙芝居で読み聞かせた。動画は約18分にまとめられた。
 でくまわしは、東二口文弥人形浄瑠璃保存会と、絵本制作に取り組む同市の団体「リトル・モウ」が3演目を本にして、市内の小中学校に配布している。協会は2月、市の姉妹都市・米コロンビア市にゆかりのある関西学院大講師、マーティン・ホルマンさん(62)=徳島市在住=の協力で3演目を英訳し、動画化を進めてきた。
 残りの「大職冠」「源氏烏帽子折(えぼしおり)」の2演目も、市の補正予算を活用し、今年度内に英訳の動画と絵本を制作する。担当者は「動画や絵本を見て、でくまわしの公演にも足を運んでもらいたい」と期待した。

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