10月24日開館の方向で調整が進む国立工芸館=金沢市出羽町

10月24日開館の方向で調整が進む国立工芸館=金沢市出羽町

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国立工芸館 金沢で10月24日に開館

北國新聞(2020年6月30日)

 独立行政法人国立美術館(東京)は29日、金沢市に移転する国立工芸館の開館日を10月24日とする方向で準備に入った。開館後は、東京国立近代美術館が所蔵する日本芸術院会員と人間国宝の名品を3回に分けて紹介する企画展を開催することも決定。近現代工芸の華やかなコレクションを石川の地から国内外へ発信する。
 工芸館によると、企画展の詳細は調整中だが、金沢市出身で「漆聖(しっせい)」とうたわれた漆芸家・松田権六(ごんろく)氏のほか、髹漆(きゅうしつ)人間国宝赤地(あかじ)友(ゆう)哉(さい)氏、蒔絵(まきえ)人間国宝の寺井直次氏ら石川出身の作家の作品を展示し、近代から現代までの工芸の歴史を分かりやすく紹介する。
 近現代工芸に関し、東京国立近代美術館は国内随一のコレクションを誇る。唐澤昌宏館長は、まずは外部から作品を借り受けて紹介する展示会よりも、工芸館がどんなコレクションをして、どういう性格の施設であるかを伝えることが重要だと指摘。「優れた作品をしっかりと紹介できる企画展にする」と話した。
 3回に分けて開く企画展の会期は、一つの展示会につき1~2カ月を予定している。来場者の検温や手指消毒、換気といった新型コロナウイルス対策にも万全を期す。県民が入場できるのは開館翌日の10月25日となる見通しだ。
 国立工芸館は明治期に建てられた旧陸軍の第九師団司令部庁舎と金沢偕行社(かいこうしゃ)を移築、一部を復元し、4月5日に竣工(しゅんこう)。石川県と金沢市が33億7千万円を投じて整備した。日本海側初の国立美術館で、東京国立近代美術館が所蔵する日本芸術院会員と人間国宝の作品約1400点が全て移される。
 当初は東京五輪・パラリンピックに合わせ、開館を7月15日とする方向で調整を進めたが、新型コロナの感染拡大を受け、延期となっていた。

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