アシツキを使ったデザートを作った経沢さん(左)とさやかさん

アシツキを使ったデザートを作った経沢さん(左)とさやかさん

富山県 富山・八尾 スイーツ

万葉の時代味わって 富山の経沢さん、アシツキ使いスイーツ

北日本新聞(2020年7月9日)

■夏向けにさっぱり

 富山市千代田町の郷土料理研究家、経沢信弘さん(60)は、姪(めい)でイタリア料理人の経沢さやかさん(30)と共に、万葉集で大伴家持が詠んだ川藻「アシツキ」を使ったデザートを作った。「富山の昔の食材を見直し、万葉の時代を味わってほしい」と話している。

 アシツキは藻の仲間で、食用の植物。美しい川でだけ育ち、手に入りにくい。万葉集に「雄神(おがみ)川 紅(くれない)にほふ 娘子(おとめ)らし 葦附(あしつき)とると 瀬に立たすらし」と詠まれている。当時の食べ方は分かっていない。

 経沢さんは南砺市の利賀川に育っていることを知り、15年前から毎年6月ごろ採取している。味や匂いはないものの、寒天のような食感で、デザートに合うと考えた。関西のイタリア料理店で約10年修業し、昨年富山市にUターンしたさやかさんに、夏のデザートの創作を依頼した。

 さやかさんは、イタリアのフルーツポンチ「マチェドニア」をアレンジ。地酒の濁り酒に漬け込んだメロンやサクランボ、ブルーベリーなどとアシツキを組み合わせ、さっぱりと仕上げた。令和の典拠となった万葉集の「梅花の宴」を開いた大伴旅人が酒を好んだことにヒントを得た。「酒の種類をいろいろ試し、濁り酒がすごく合った」と話す。

 経沢さんは「富山の新しいスイーツで地域が盛り上がればいい」と期待している。問い合わせは経沢さん、電話090(7745)3397。

えきねっと びゅう国内ツアー

富山・八尾 ニュース